腰に違和感を感じたときに疑われる原因

腰は体の要となる部分なので、非常に重要な部位です。腰は体の頭部から胸、腹の内臓などを支えているため、大きな負担のかかる場所でもあります。そのため、腰に違和感を感じることは多いのですが、違和感があるからといって、必ずしも病気とは限りません。しかし、腰の違和感が、重篤な病気のサインである場合もあります。腰に違和感を感じたときに、疑われる原因について解説しましょう。
 

腰の違和感について

腰に違和感があっても、病院にかかる必要がないケースがほとんどですが、中には危険な病気の兆候の場合もあります。もしじっとしていても腰が痛むようなら、脊椎や内臓の病気の可能性があります。お尻が痛んだり痺れる場合や、足が痺れてうまく歩けない場合は、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなどの疑いがあります。

また、体を動かしたときだけ腰が痛むようなら、腰の関節痛や筋肉痛などが考えられるでしょう。多くの人が、腰に多少の違和感や痛みを感じているので、症状が1カ月以内に収まるようであれば、あまり心配する必要はありません。ただし、腰痛が極端にひどかったり、痛みが3か月以上続くようなら、病院にかかったほうがいいでしょう。
 

症状を正しく伝えることが重要

腰痛の場合は、整形外科を受診するのが一般的ですが、受診した際は医師に的確に症状を伝えることが大切です。腰の違和感や腰痛にはいろんなパターンがあるので、どんな症状か正確に伝えることが正しい治療につながります。正しく伝えられないと、何でもない腰痛なのに、重い病気と勘違いされたり、反対に重症なのに、軽い症状と誤診される可能性があるので注意が必要です。

病院では、問診の結果から医師が必要な検査の種類を判断し、レントゲンやCT、MRIなどの検査を行います。また、場合によっては、血液検査が必要になる場合もあるかもしれません。これに加えて、精密検査が必要になることもあり、これらの検査結果を見て医師が総合的に診断します。

医師は、患者から聞いた症状により必要と思われる検査をするので、症状を正しく伝えないと、検査結果に影響するケースもないとは言えません。そのため、医師に症状を正しく伝えることが重要なのですが、そのために欠かせないポイントが5つあります。

症状を伝えるポイント

まず、「いつから」どんな症状があるのかを伝えましょう。次に「どこが」痛むのかを伝えます。腰といっても前後左右があり、腰の上部下部といった違いもあります。また、痛みや違和感は腰だけでなく、背中や足も含まれる場合があるので、正確な痛みの場所を伝えなければなりません。

次に、「どんな痛みや違和感」があるのかを伝えます。痛みがあれば、痛みの強さもできるだけ具体的に伝えましょう。また、1日のうち朝だけ痛むとか1日中痛むといった、症状の出る時間帯についても、医師にとっては重要な情報となる場合があります。

次に、「どんなときに痛いのか」を伝えましょう。何もしなくても痛いのか、歩くと痛いのか、腰を曲げたときだけ痛いのかなどを医師に伝えます。
 

具体的な腰の違和感の原因

腰の違和感について、具体的な原因を見ていきましょう。

それほど多くありませんんが、癌が原因で腰痛が起こる場合があります。骨の癌や膵臓癌、大腸癌などがあると腰痛を起こします。問診や痛みの種類などによって、医師がこれらの癌を疑うと、内臓のレントゲンやCT、MRIなどを撮って診断します。腰痛の多くは、安静にしていれば痛まないのですが、癌が原因の腰痛はじっとしていても痛むのが特徴です。

化膿性脊椎炎

腰骨の中に、細菌が入ったために脊髄が化膿する病気です。さらに進行すると、血液の中に細菌が入って敗血症になることもあります。敗血症は、命に係わるほど重症化することがあるので、注意しなければなりません。この場合も癌と同様に、じっとしていても痛むのが特徴です。

椎間板へルニア

腰椎と腰椎の間にある、椎間板から髄核が飛び出して、脊髄の神経を刺激したり炎症を起こす病気です。比較的若い世代に多い病気で、腰痛を感じるようになると、やがて尻や足にも痛みや痺れの範囲が広がるのが特徴です。特に、前かがみになったときに強い痛みや、痺れが発生する傾向があります。

腰部脊柱管狭窄

腰椎のうしろにある脊柱管が狭くなって、中の神経が圧迫されるために痛みや痺れが起こります。50歳前後から増える病気で、高齢になるほど発症率が高くなります。腰痛や、尻から足にかけての痛みや痺れが特徴で、歩いているうちに、さらに症状がひどくなる場合もあります。腰部脊柱管狭窄は、椎間板ヘルにはとは逆に、前かがみなると痛みがなくなり、体を反らすと痛みや痺れが発生します。

圧迫骨折

骨粗鬆症が原因で骨がもろくなり、骨が押しつぶされるのが圧迫骨折です。70歳以上の女性に多く見られる症状で、痛みがない場合もありますが、多くの場合尻から足にかけて痛みや痺れがあります。高齢女性で、身長が4センチ以上低くなって、背中が丸くなっている場合は圧迫骨折の可能性があります。

終板の障害

腰椎と椎間板が接している部分を終板と呼びますが、終板には多くの神経や血管が通っているため、細菌に感染したりアミロイドが溜まるとむくんで痛みが生じます。前かがみになると痛みが出るのが特徴です。

椎間関節による腰痛

腰椎のうしろにある椎間板節に炎症が起きたり、軟骨がすり減ったりして腰痛が起こります。腰痛のほかに、太ももの外側が痛んだり足が痺れたりする場合もあります。体をのけ反らせると痛みが強くなります。

仙腸関節痛による腰痛

骨盤にある仙骨と、骨盤の両側の腸骨の間にある関節に、痛みが発生する病気です。軟骨がすり減るために、炎症や痛みが生じます。長時間椅子に座っていられない場合は、仙腸関節痛の可能性があります。
 

片側だけに腰痛が起こる原因

これまでに紹介した腰痛とは違って、右か左の片側だけに起こる腰痛があります。これは、片方の腰に負担をかけるような、生活習慣が身についていることが原因として考えられます。たとえば、仕事で腰を右にひねる作業が多いといった場合に出やすい症状です。

このように、片側の腰だけに負担をかける動きを繰り返すと、背中の筋肉の片方だけに疲労が溜まるので、アンバランスになり腰痛が起こるのです。また、片方の腰に負担をかけ続けた結果、骨格にゆがみが生じて痛みの原因となる場合もあります。このように、片側の腰だけに痛みが生じるのは、生活習慣に原因があるだけで病気ではありません。

しかし、このままでは長期にわたって、片方の腰痛に悩まされることになるので、何とかしなければなりません。そこで有効なのがストレッチです。ストレッチは、こわばった筋肉をほぐして血行をよくするので、片側だけの腰痛を改善するのに有効です。

ここでは、ストレッチについては詳しく解説しませんが、ネットで検索すると、腰痛に効果のあるストレッチが見つけられるので、試してみるといいでしょう。ただし、片側だけ腰痛が起こる原因として、まれに内臓の病気が関係している場合もあるので、気になるようでしたら、一度病院で検査してもらうことをおすすめします。
 

まとめ

腰に違和感や痛みを感じる原因はさまざまです。ほとんどの腰痛は、1カ月程度で収まるので心配いりませんが、痛みが激しかったり、3カ月以上痛みが続くようなら病院を受診しましょう。じっとしていても腰が痛むようなら、脊椎や内臓の病気の可能性があるので注意が必要です。

腰痛の原因として、1番重篤なのは癌による痛みです。このほか、化膿性脊椎炎や椎間板へルニア、腰部脊柱管狭窄、圧迫骨折、終板の障害、椎間関節による腰痛、仙腸関節によって、腰痛が起こる場合もあります。また、片側だけの腰痛は生活習慣によるものなので、ストレッチによって改善することができます。